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LINEリッチメニューとは?作り方と、作る前に決める3つのこと

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LINEリッチメニューとは|作り方と、決める3つのこと

リッチメニューは、LINE公式アカウントのトーク画面の下部に固定で表示されるメニュー機能です。1枚の画像をタップできる領域に分け、それぞれの領域に「クーポンを開く」「予約ページへ行く」といった行き先を割り当てられます。アカウントの種別や料金プランを問わず使え、リッチメニューを置くこと自体に追加の料金は発生しません。

作り始める前に決めておくことは3つあります。どちらのツールで作るか、何を載せるか、各セルの行き先をどこにするかです。このうち1つ目が特に重要で、後回しにできません。リッチメニューを設定できるツールは、管理画面(LINE Official Account Manager)とMessaging APIの2つがあり、公式ドキュメントは「1つのリッチメニューの取得や編集に、2つのツールを使うことはできません」と書いています。統計情報も、それぞれ作成したツールでしか参照できません。つまり最初のツール選択は、その1枚の編集経路と、数値が溜まる場所を同時に固定します。

そして公開したあとについても、先に知っておくと落ち着いて進められることがあります。管理画面の分析でリッチメニューの数値を見られるのは、指定した期間にクリックした人が20人以上いた場合だけです。友だちが数十人という立ち上げ直後のアカウントには、数値が出ない期間が構造的に存在します。 これは施策が悪いのではなく、データの提供条件を満たしていないだけです。この記事では、その期間に代わりに何を見ればよいかまで扱います。

1枚目を公開して、その数値を読み始めるまでに要ることを、7つに分けて置いています。

  • リッチメニューが何であり、リッチメッセージとどう違うのか
  • リッチメニュー自体に追加料金が発生しないのはなぜか、どこに課金が発生するのか
  • 管理画面とMessaging APIのどちらで作るべきか、その選択が何を固定するのか
  • 何を載せるかを、増やしたい行動から主セル・補助セルの順に決める道筋
  • 各セルの行き先(電話・PDF・予約フォームなど)に何を設定できるか、確認できた範囲でのアクション種別
  • 管理画面での設定を、公式マニュアルの項目順どおりに最後まで進める手順
  • 公開後に見る5つの数値と、その数値が出ない期間の扱い方

記入しながら読み進められるよう、「リッチメニュー1枚目の決定シート」を4つに分けて本文中に置いています。読み終えたときに、そのまま設定作業に入れる状態になります。

この記事がどこまでを確認して書かれたものかを、ここに置いておきます。この記事は、LINEの公式ドキュメント(LINE Developers)、公式マニュアル(LINEヤフー for Business)、公式ヘルプ(LINEヘルプセンター)を自分たちで読み解いて整理したものです。確認したのは2026年8月2日から3日にかけてで、大半は8月2日、管理画面の作成画面までの行き方と、テンプレートダウンロードの説明文の2点は8月3日に確認しています(本文の該当箇所にも個別に日付を書いています)。管理画面を実際に開いて一つずつ操作したり、自社のアカウントでリッチメニューを公開して分析画面を見たりした記録は、この記事には含まれていません。 「公式にこう書かれている」と確認が取れた範囲と、そこから導いた結論は、本文でも分けて書いています。確認が取れなかったことは、取れなかったと書きます。

LINEリッチメニューとは

トーク画面の下部に固定で表示されるメニュー

リッチメニューは、LINE公式アカウントのトーク画面の下部に表示されるメニュー機能です。公式ドキュメントの定義では、LINE公式アカウントの各機能や、外部サイト・予約ページなどへのリンクを設定できるものとされています。

構造は3つの要素でできています。

要素 中身 決めること
リッチメニュー画像 タップ領域の土台になる1枚の画像 何をどう見せるか
タップ領域 画像の上に置かれる、押せる範囲の区切り いくつに分け、それぞれに何を割り当てるか
トークルームメニュー メニューの開閉にかかわる帯。これは公式ドキュメント側の呼び方で、管理画面の項目名は「メニューバー」です(両者が同じものだと明記した記述は確認できていません) 表示する文言と、開いた状態で出すかどうか

ここで押さえておきたいのは、画像と「押せる範囲」が別のものだという点です。画像はあくまで見た目で、押したときの行き先は画像とは別に設定します。この2つを1つのものだと思っていると、「画像を作り直したのにリンク先が変わらない」「見た目は3分割なのに押すと違う場所に飛ぶ」といった食い違いが起きます。あとで出てくるテンプレートの話も、この区別が前提になります。

デスクトップ版のLINEでは表示されない

最初に押さえておきたい前提です。リッチメニューは、デスクトップ版(macOS・Windows)のLINEでは表示されません。 公式ドキュメントに明記されています。

パソコンでLINEを開いて「設定したのに出てこない」と見えるのは、不具合ではなく仕様どおりの挙動です。確認は必ずスマートフォンのLINEアプリで行ってください。この点は公開直後の確認の節でもう一度触れます。

リッチメッセージとの違い

名前が似ていて混同しやすいのが、リッチメッセージです。両者は別の機能です。

リッチメニュー リッチメッセージ
出方 トーク画面の下部に固定で表示される メッセージとして届く
通知 通知として届くものではない アイテム名がプッシュ通知やトークリストに表示される
見られるタイミング 友だちがトーク画面を開いているあいだ常に 配信したとき

公式マニュアルでリッチメッセージは「画像やテキスト情報を一つのビジュアルにまとめ、簡潔で分かりやすい訴求を実現できる機能」と説明されており、設定項目にはアイテム名があって、これが「プッシュ通知やトークリストに表示」されると書かれています。つまりリッチメッセージは送るもので、リッチメニューは置いておくものです。

混同の原因は、両者の作り方がよく似ていることにあります。どちらも「画像をタップエリアに分割し、各エリアにアクションを設定する」という同じ構造を持っています(リッチメッセージ側で設定できるアクションは、確認できた範囲ではリンク・クーポン・テキストです)。共通しているのは作り方の構造で、違うのは届き方です。

なお、この違いは公式マニュアルが対比の形で書いているものではなく、リッチメニュー側の定義とリッチメッセージ側の定義・設定項目を並べて読んだ結果です。公式が「リッチメニューとリッチメッセージの違いはこうです」と説明している箇所を見つけたわけではない、という点は添えておきます。

この記事で決まること/別のページで決めること

この記事は、リッチメニューを1枚公開できる状態になるまでを扱います。読み終えたときに、ツールが決まり、載せる項目と行き先が決まり、管理画面の設定を最後まで進められる状態を目指します。

一方で、この記事が扱わないことも先に示しておきます。

  • 画像の実寸・容量・分割数の決定は、この記事では決まりません。テンプレート別の実寸・容量・分割数は、別途サイズの記事で扱う範囲です。この記事で書くのは、基準になるキャンバス1つ分の寸法と対応形式までです。
  • 見え方と伝わり方の判断(どのテンプレートを選ぶか、スマホで読める見た目になっているか)も、この記事では決まりません。これは別途デザインの記事で扱う範囲です。
  • ユーザーごとの出し分けとタブ切り替えを実際に作るところは、別途出し分けの記事で扱う範囲です。この記事で触れるのは「Messaging APIを選ぶとできることの1つ」というところまでです。
  • 表示されない・反映されないときの切り分けは、この記事では扱いません。別途切り分けの記事で扱う範囲です。
  • デザインテンプレートの素材そのものの配布は扱いません。 無料のテンプレート集を探している場合は、この記事は目的に合いません。

料金:リッチメニュー自体に追加料金はかからない

リッチメニューを使うために追加の費用は発生しません。根拠はLINEヤフー自身が公開しているコラムの記述で、「リッチメニューは、アカウント種別や料金プランを問わず使用可能で、機能差もありません」と書かれています(このコラムには最終更新日の記載がなく、URLは2018年7月31日付です。この記事がこの記述を確認したのは2026年8月2日です。)。プランによって使えたり使えなかったり、分割数が制限されたりするものではない、ということです。

ここで分けて理解しておきたいのが、LINE公式アカウントの課金構造です。LINE公式アカウントの料金は、メッセージの配信通数に対して発生します。「送った回数 × 届いた友だちの数」が通数として数えられ、プランごとに無料で送れる通数と、それを超えた分の単価が決まっています。リッチメニューはメッセージとして配信されるものではないので、ここには乗りません。

金額と無料通数は、この記事には書きません。 料金プランは改定されるものであり、記事に固定値を書くと、更新の遅れがそのまま読者の誤った判断になります。現行の金額と通数はLINE公式アカウントの料金プランのページで確認してください。

補足を2つ。1つは、古い情報に当たったときのためのものです。かつての「LINE@」ではフリープランでリッチメニューを使えませんでしたが、2019年4月のLINE公式アカウントへの統合により、全プランで使えるようになりました。「無料プランでは使えない」と書かれた記事に当たった場合は、統合前の情報である可能性を疑ってください。

もう1つは、この記事自身の根拠についてです。上に書いた「追加料金がかからない」の根拠は、コラムの記述であって料金表ではありません。料金プランのページには、リッチメニューの料金や利用可否についての記述そのものがありません。 料金表を見ても答えが書いていないので、探して見つからなくても問題ありません。

追加料金はかからないが、作業と担当は発生する

ここまでが金額の話です。ただし「追加料金がかからない」ことと「無償で回り続ける」ことは別です。リッチメニューには、請求書には出てこないが、誰かの作業として毎回発生するものがあります。この記事で確認できた仕様から、そこに何が並ぶかだけを挙げておきます。

発生するもの 何が根拠か 誰が担うか
画像を用意し、差し替える作業 公式が書いているのは、リッチメニューがトーク画面の下部に表示されるメニューであることと、管理画面に表示期間の設定があることまで。そこから導いた結論として、掲載内容を新しくするには画像を作り直すことになり、表示期間で切り替える運用にするなら切り替える先の画像も要る(この帰結は公式の記述そのものではありません)
表示期間による切り替えの実装(Messaging APIを選んだ場合のみ) 表示期間の設定は、公式の利点対照表で管理画面側にのみ挙げられている。Messaging API側に対応する記述は見当たらないため、期間で自動的に切り替える仕組みは自前で用意することになる(これは公式の記述そのものではなく、そこから導いた結論です)
公開後に分析画面を確認し、次の判断をする作業 分析の集計期間は選択でき、初期値は30日間。クリック人数が20人に届かない期間は、後述の代わりの見方で判断することになる

頻度と所要時間は、この記事では書きません。 「月1回」「1枚あたり何時間」といった目安を持っていないためです(前述のとおり、この記事は管理画面を実際に操作した記録を持ちません)。頻度は自社の販促サイクルで決まるものなので、右列の「誰が担うか」と合わせて、社内で埋めてください。ここが空欄のままだと、最初の差し替えが必要になった時点で、「誰の作業か」を決めるところから始めることになります。

先に、決定シートの全体像を見ておく

ここから先は、決めたことを書き留めながら進みます。「リッチメニュー1枚目の決定シート」は4つのブロックでできています。 それぞれが何を決める欄なのかを、先に見ておいてください。

ブロック 何を決める欄か 埋まる場所
A 作成ツール 管理画面とMessaging APIのどちらで作るか(3問) 次のH2の末尾
B 掲載項目 増やしたい行動1つ・主セル1つ・補助セルの候補 「何を載せるか」の末尾(数の確定はテンプレート選択後)
C リンク先アクション 各セルの種別・リンク先・アクションラベル 「各セルのリンク先アクション」の末尾(B と同じく、行数の確定はテンプレート選択後)
D 公開後に見るもの 見る指標・集計期間・数値が出ない期間の代わりの見方・差し替えの担当 「公開後に何を見るか」の末尾

各H2の末尾で1ブロックずつ埋まります。 順に読み進めれば、読み終えたときに4ブロックすべてが埋まっている状態になります。

最初に決める①:管理画面とMessaging APIのどちらで作るか

リッチメニューを設定できるツールは2つあります。LINE Official Account Manager(以下、管理画面)と、Messaging APIです。この記事の主な対象は、管理画面で完結させたい方です。Messaging APIの実装手順そのものは扱いません。

どちらを選ぶと何ができるか

公式ドキュメントは、2つのツールの利点を対照の形で挙げています。

管理画面(LINE Official Account Manager) Messaging API
挙げられている利点 開発期間が短い/GUIで操作できる/表示期間を設定できる/統計情報(表示回数・クリック率)を確認できる 高度なカスタマイズができる/ポストバックアクションや日時選択アクションを使える/タブ切り替えができる/合計・日別の統計情報を取得できる

この表に挙げたのは、公式が利点として挙げている項目だけです。そのうえで、使い始めるために必要なものが違う点を補っておきます。管理画面はLINE公式アカウントの管理画面にログインできれば使えますが、Messaging APIは開発を担当できる人が要ります。

読み方の要点を2つ挙げます。

1つ目は、表示期間の設定が管理画面側にだけ挙げられていることです。「今週末のセールのあいだだけこのメニューを出す」といった期間指定を、設定として持てるのは管理画面側です。この点は、あとでツールを移す話をするときに効いてきます。

2つ目は、タブ切り替えがMessaging API側にだけ挙げられていることです。「メニューの上部にタブがあって、押すと別の面に切り替わる」形は、この対照表ではMessaging API側にだけ挙がっています。ユーザーごとに違うメニューを出す出し分けも同様です。ただしここも読み方に注意が要ります。公式が書いているのは「Messaging APIの利点として挙がっている」ところまでで、「管理画面ではできない」と明記された記述を確認したわけではありません。 この2つを最初からやりたい場合は、Messaging APIを前提に体制を組むのが確実です。何タブに分け、どのタブに何を置き、どう切り替えさせるかという設計は、この記事では扱いません。リッチメニューの出し分けとタブ切り替えで扱う範囲です。

この選択が固定するもの

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。公式ドキュメントは、次の2つを別々の見出しの下で述べています。

  • 「1つのリッチメニューの取得や編集に、2つのツールを使うことはできません」。管理画面で作成したものは管理画面でのみ取得・編集でき、Messaging APIで作成したものに管理画面は使えません。
  • 統計情報は、それぞれ作成したツールでのみ参照できます。管理画面の分析には「Messaging APIで設定したリッチメニューの統計情報は表示されません」。

この2つを重ねると、最初のツール選択が、その1枚の「編集経路」と「数値の置き場所」を同時に固定することが見えてきます。

決めること 固定されるもの
管理画面で作る 以後の差し替え・修正は管理画面から。数値は管理画面の分析に溜まる
Messaging APIで作る 以後の差し替え・修正はAPIから。数値はAPI側で取得する。管理画面の分析には出てこない

つまり「とりあえず管理画面で作っておいて、必要になったらAPIに移す」という進め方は、その1枚に関しては、作り直しを含む判断になります。ただしこれは「作り直しは避けるべきだ」という意味ではありません。管理画面で作れる範囲から始めるという選択は、それ自体まっとうです。 判断に必要なのは、切り替えるときに何が起きるかを先に知っておくことだけです。

一度公開したら、もう変えられないのか

ここで先に答えておきます。同じツールの中であれば、公開したあとでも中身は変えられます。 管理画面で作成したリッチメニューは管理画面から取得・編集でき、画像の差し替えも、リンク先の変更も、メニューバーの文言の修正もできます。作りかけを置いておく下書き保存もあります。

変えられないのは「同じ1枚を、もう一方のツールで編集すること」です。「作り直しになる」という話が出てくるのは、管理画面とMessaging APIのあいだを移るときだけで、日々の差し替えの話ではありません。

1つだけ、変更したときの見え方に注意があります。設定を変更しても、友だちの画面に反映されるのはトーク画面に入り直したときです。開いたままの画面は変わりません。これは次の「公開直後に確認すること」でもう一度扱います。

別のツールへ移すことになったら何が起きるか

公式が書いているのは、1つのリッチメニューを2つのツールで取得・編集することはできない、というところまでです(統計もそれぞれ作成したツールでしか参照できません)。そこから導けるのは、別のツールへ移すには旧ツール側のメニューを止めて新しいツール側で作り直すことになる、という帰結で、作り直せるのは画像・タップ領域の分割・各領域のアクションとアクションラベル・メニューバー文言、引き継げないのは旧ツール側にしか残らない統計の連続性と、Messaging API側に対応する記述が見当たらない表示期間の設定(期間による自動切り替えは自前で実装することになります)です。移したあとに何が変わるか、どういう場合に移す判断をするのかは、この記事では扱いません。別途出し分けとタブ切り替えの記事で扱う範囲です。

両方に設定したら、どちらが表示されるか

管理画面とMessaging APIの両方にリッチメニューがある状態も起こり得ます。そのときにユーザーの画面に出るものは、公式ドキュメントが優先度として定めています。

  1. Messaging APIで、そのユーザー個人に対して設定されたリッチメニュー
  2. Messaging APIで設定されたデフォルトのリッチメニュー
  3. 管理画面で設定されたデフォルトのリッチメニュー

上から順に優先されます。管理画面で設定したものは、この3段のいちばん下です。「管理画面で新しく作って公開したのに、古いメニューが出たままだ」という状況は、上の2段のどちらかが残っていると起こり得ます。

決定シート:作成ツールを決める

3問に答えると決まります。3問とも、いまの自分の状況をそのまま答えてください。 既定値(何も考えずに当てはまるほうを選んだときの答え)は3問とも右端に置いてあります。

# 設問 回答(既定値)
A-1 友だちによって、メニューの中身を変えて見せる必要があるか(例: 会員と未購入者で違うメニューを出したい) いまは不要 / 必要
A-2 1枚に収まらず、メニュー自体を切り替えて見せたい項目があるか いまは不要 / 必要
A-3 社内に開発を担当できる人がいるか いまは頼める人がいない / 頼める人がいる

判定の目安は次のとおりです。

  • A-1もA-2も「いまは不要」 → 管理画面で確定です。A-3の答えは問いません。
  • A-1またはA-2が「必要」で、A-3も「頼める人がいる」 → Messaging APIを選ぶ余地があります。ただし実装手順はこの記事では扱いません。行き先は、別途扱う出し分けの記事と、Messaging APIの公式ドキュメントです。
  • A-1またはA-2が「必要」だが、A-3が「いまは頼める人がいない」 → まず管理画面で1枚を公開してください。 そのうえで、出し分けやタブ切り替えが実際に必要だと確定した時点で、Messaging APIへの移行を検討します。移行するときに何が作り直しになり何が引き継げないかは、前の「別のツールへ移すことになったら何が起きるか」で書いたとおりです。

A-1とA-2が「いまは不要」だった方は、ここから先の設問だけで公開まで到達できます。 以降の内容は管理画面での作業を前提に書いています。

なお、リッチメニューを作り直したときに、LINE公式アカウントそのものや友だちとのつながりがどうなるかについては、それを明言している公式の記述をこの記事では見つけられませんでした。 確認できた範囲では、リッチメニューの設定はアカウントや友だちの設定とは別のものとして扱われています。ただし「絶対に影響しない」と断定できる根拠は持っていないので、そう書きません。

最初に決める②:何を載せるか

ここで決めるのは「何を載せるか」であって、「いくつに分けるか」ではありません。 補助セルをいくつにするかは、このあとテンプレートの一覧を見てから確定します。ここでは数を気にせず、載せたい項目を候補として書き出してください。

増やしたい行動を1つ決めてから、セルを埋める

掲載項目を「載せられるもの」から考え始めると、テンプレートの分割数だけ項目が並びます。クーポン、店舗情報、Instagram、予約、問い合わせ、商品一覧。どれも載せられるので、埋めようと思えば埋まります。

この順番だと、全部のセルが同じ重さになります。 そして押してほしいものが決まっていないと、公開後にどのセルが押されたときに「うまくいった」と言えるのかも決まりません。

順番を逆にしてください。

  1. 増やしたい行動を1つ書く。 「予約を増やしたい」「クーポンを使ってほしい」「新商品ページを見てほしい」など、1つに絞ります。
  2. その行動に直結するセルを主セルとして1つ決める。 押しやすい位置に置きます。
  3. 残りを補助セルの候補として挙げる。 「あると便利」ではなく、「主セルを押さない人が次に必要とするもの」を基準にします。ここでは数を決めません。 候補が枠数より多ければ、テンプレートを選んだあとに落とします。

補助セルの候補として、公式コラムが設定できるリンク先として挙げているのは、クーポン、ショップカード、外部サイトへのリンク、テキスト(自動応答メッセージ)、予約ページへのリンクです。実際に何を選べるかは、次の章で扱います。

業種の性質から、主セルの候補を絞る

LINEヤフー自身のコラムは、活用例として4つの業種を挙げています。飲食店(BON'S Crepe)、美容サロン(ヘアークリニック髪風船)、ショッピング(マックスプラス)、レジャー施設(海遊館)の4件です。

この記事が確認したのは「この4件が活用例として挙げられている」という事実までです。 各社のメニューに実際に何が並んでいるか、それによってどんな成果が出たかは確認していないので、書きません。他社の数値を借りて「◯分割が最適」「これを載せると伸びる」と言うこともしません。

では、この4件は読者にとって何の材料か。 飲食・美容・小売・レジャーというように業種の幅があること、つまり自分の業種に近いものが公式の活用例に挙がっているかどうかを見るための材料です。構成を真似るための材料ではありません(真似るための中身は、この記事が確認していないので渡せません)。

そのうえで、業種の性質から主セルの候補を整理すると、次のようになります。これは公式コラムの記述ではなく、この記事が読者の出発点として組んだものです。自社の「増やしたい行動」に置き換えて使ってください。

業種の性質 増やしたい行動になりやすいもの 主セルの候補
来店してもらう(飲食店・小売店) 来店のきっかけを作る クーポン
予約が売上に直結する(サロン・施術・教室) 予約枠を埋める 予約ページへのリンク
商品を見てもらう(通販・ショッピング) 商品ページへ送る 外部サイトへのリンク(商品一覧・新着)
来場前に情報を確認させたい(施設・イベント) 迷わせない 営業情報・アクセス・チケットのページ

「うちはどれにも当てはまらない」と感じる場合は、業種ではなく「今月、数を増やしたいものは何か」から考えると決まります。それが決まらないうちは、リッチメニューの分割数を検討しても答えは出ません。

決定シート:掲載項目を決める

この欄は2段で書きます。いまは1段目(候補)まででかまいません。

記入欄 内容
増やしたい行動(1つだけ)
主セル(1つ)
補助セルの候補(数は決めない。思いつくだけ挙げる)
← 2段目:テンプレートを選んだあとに確定する補助セル

1段目では、補助セルの候補を挙げるだけにしてください。数はまだ決めません。 2段目は、このあとの「テンプレートを選ぶ」で分割数が決まってから、候補の中から枠数に合う分だけを選んで確定します。そのときにこの表へ戻ってきます。

先に分割数を決めて空欄を埋めにいくのではなく、書き出した候補に合う分割を選んでください。 どの分割を選ぶかの決め方そのものは、この記事では扱いません。別途サイズの記事で扱う範囲です。

最初に決める③:各セルのリンク先アクションをどうするか

セルに何を置くかが決まったら、押したときに何が起きるかを決めます。ここを先に決めておくと、管理画面では転記するだけで済みます。

管理画面で選べるアクション(確認できた範囲)

本記事の確認時点で確認できた範囲では、管理画面で選べるアクションは次のとおりです。

種別 何が起きるか 決めておくもの
リンク(URL) 指定したURLを開く 開くページのURL
クーポン 作成済みのクーポンを開く 先にクーポンを作っておくこと
テキスト 指定したテキストが送信される(自動応答と組み合わせて使う) 送信される文言と、それに反応する自動応答
ショップカード 作成済みのショップカードを開く 先にショップカードを作っておくこと
アクションなし 何も起きない —

この一覧に「確認できた範囲では」と付けているのは理由があります。 アクション種別の完全な選択肢一覧を、単一の公式ページから取得することができませんでした。上の表は、公式マニュアルと公式コラムの2つの記述を突き合わせて組んだものです。管理画面を実際に開いて確認したわけではないので、ここに載っていない選択肢がある可能性は残ります。

1つだけ、はっきりしている制約があります。すべてのタップ領域を「アクションなし」にすることはできません。 少なくとも1つは行き先を持たせる必要があります。

アクションラベルは音声読み上げに使われる

各領域には、アクションとは別に「アクションラベル」を入力する欄があります。最大20文字で、リンク(URL)またはクーポンを選んだ場合は入力が必須です。

このラベルは、画面に表示される文字ではありません。OSの音声読み上げ機能に利用されます。 つまり、画面を見ずにLINEを使っている人にとっては、ラベルがそのセルの名前そのものになります。

必須項目だからと「ボタン1」「リンク」で埋めてしまうと、その人には何も伝わりません。押した先で何が起きるかを、20文字以内の日本語で書いてください。 「クーポン」より「今月のクーポンを見る」、「予約」より「予約ページを開く」のほうが、読み上げられたときに意味が通ります。

電話をかけさせたい場合

「タップしたら電話がかかる」形にしたい場合の話です。ここは書き分けが必要なので、確認できたことと確認できていないことを分けて書きます。

確認できたこと。 Messaging APIのURIアクションで指定できるスキームは、http・https・line・tel の4つです。公式ドキュメントには tel:09001234567 という実装例が示されており、これを設定すると通話アプリで指定の電話番号を開けると説明されています。Messaging API側の仕様としては、電話番号を行き先にできます。

確認できていないこと。 これはMessaging APIのアクションオブジェクトの仕様であって、管理画面のリンク入力欄が同じ書き方を受け付けるかどうかを意味しません。 管理画面側について、リンク欄にどんな形式を入力できるかを説明した公式の記述を、この記事では見つけられませんでした。公式マニュアルにも、公式ヘルプの検索でも、該当する記述に行き着けていません。また、確認できた範囲では、管理画面のアクション種別に「電話をかける」という専用の項目は見当たりませんでした。

なぜこれを断定しないか。 この方法を紹介している解説記事は複数見つかります。ただし、それらはいずれも第三者による解説であり、LINE側の公式な記述ではありません。複数の記事が一致していることは、試してみる価値があることの裏づけにはなりますが、「公式にそう決まっている」ことの裏づけにはなりません。

読者が自分で確かめる手順。 電話を主セルに置きたい場合は、次の順で確認してください。

  1. 管理画面のアクション設定で、種別に「リンク」を選び、URL欄に tel: に続けて電話番号を入力して保存できるかを見る。保存の時点で弾かれるなら、その方法は使えません。
  2. 保存できた場合は、自分のスマートフォンで実際にそのセルを押し、通話アプリが起動するかを確認する。保存できることと、押して動くことは別です。
  3. 動かない、または保存できない場合の代替として、電話番号を記載した自社サイトのページへ「リンク(URL)」で送る方法があります。ページ側の電話番号をタップすれば発信できます。1タップ増えますが、管理画面のリンク(URL)だけで成立します。
  4. どうしても管理画面での可否を先に確定させたい場合は、LINE公式アカウントのサポート窓口に問い合わせてください。

この記事としては、3が管理画面の確認できている機能だけで成立する方法であり、1と2は自分の環境で確かめてから採用する方法だ、という整理をしています。

このH3が答えられるのは、ここまでです。 Messaging API側の仕様と管理画面側の未確認を書き分け、確かめる手順をお渡しするところまでで、「管理画面から電話をかけさせられるか」そのものは、この記事では確定させていません。

なお、他社のLINE運用ツールの中には「電話をかける」という専用のアクション種別を掲げているものがあります(本記事はその画面を確認していません)。検索するとこの2つが並んで出てくるため、管理画面の標準機能の話なのか、ツールの機能の話なのかを見分けて読んでください。 LINE内の無料通話(LINEコール)へつなぐ話も、電話発信とは別の経路です。

PDFを配りたい場合

メニューから資料やメニュー表のPDFを配りたい場合の話です。

PDFファイルそのものをリッチメニューに添付する選択肢は、この記事で確認できた範囲では見当たりませんでした。 確認できたアクション種別(上の表)にファイル添付にあたるものがなく、Messaging API側のURIアクションで指定できるスキームも http・https・line・tel に限られているためです。アクション種別の一覧が完全ではない以上、「絶対に存在しない」とまでは言いません。

したがって、PDFへ誘導するには、PDFをどこかに置いて、そのURLをリンク先に指定するという手順になります。置き場所の候補は、自社サイトのファイル置き場、クラウドストレージの共有リンク、資料ページなどです。

1つだけ確認を挟んでください。そのリンクが、ログインしていない人でも開ける設定になっているかです。クラウドストレージの共有リンクは、初期設定では特定の人しか開けない状態になっていることがあります。自分の端末では開けても、友だちの端末では開けない、という状態が起こり得ます。自分がログインしていないブラウザで開いて確かめてください。

予約フォーム・外部サイトへの導線

予約は、専用の機能としてではなく「外部サイトへのリンク」として設定します。公式の定義文自体が「外部サイトや予約ページなどへのリンクを設定することで」と述べており、予約ページも外部サイトの一種として扱われます。

ここで守ってほしい順序が1つあります。リンク先を先に完成させてから、リッチメニューを設定してください。 「あとでページを作るから、とりあえず仮のURLを入れておく」を許すと、公開後の差し替え漏れがそのまま導線の断線になります。リッチメニューは常に表示されているぶん、リンク切れが目に触れる回数も多くなります。

決定シート:各セルのリンク先を記入する

この欄も、掲載項目の欄と同じく2段で書きます。いまは1段目(候補ぶん)まででかまいません。 補助セルがいくつになるかは、このあとの「テンプレートを選ぶ」で分割数が決まってから確定します。ここでは、掲載項目の欄で挙げた候補の数だけ行を作って埋めてください。数はまだ決めません。 2段目は、分割数が決まったあとに、確定した枠数へ行を整理する作業です。行が余っても足りなくても、この時点では問題ありません。

セル 種別(リンク/クーポン/テキスト/ショップカード/なし) リンク先(URL・電話番号など) アクションラベル(20文字以内・音声読み上げ用)
主セル
補助セル1
補助セル2
補助セル3以降

PDFを配る予定がある場合は、この表を埋める前に「PDFの置き場所URL」を確定させてください。

事前に確定させるもの 記入欄
PDFの置き場所URL
ログインなしで開けることを確認したか

管理画面で設定する

ここからは実際の設定です。分節は公式マニュアルの設定項目の並びに合わせています。 管理画面のリッチメニュー作成画面は、管理用タイトル、表示期間、トーク画面プレビュー、テンプレートのダウンロード、テンプレート選択、画像設定、アクション設定、メニューバーの文言、自動表示の設定、下書き保存/保存、という順で構成されています(確認は2026年8月2日時点。画面は更新されることがあります)。

作成画面までの行き方

最初につまずきやすいのが、作成画面がどこにあるかです。公式マニュアルは、[トークルーム管理]>[リッチメニュー]を選択し、画面右上の「作成」をクリックして新規作成画面に進む、と案内しています(この経路の確認は2026年8月3日時点です。管理画面は更新されることがあります)。

1つだけ、ここで切り分けておきたいことがあります。「作る側の画面」と「ユーザー側の見え方」は別です。前述のとおり、リッチメニューはデスクトップ版のLINEでは表示されませんが、これは見る側の話です。作成そのものをどの端末から行えるか(パソコンからしか作れないのか)については、それを明言している公式の記述をこの記事では確認できていません。確認できているのは、公式マニュアルにWeb版の管理画面と管理アプリ版の両方のセクションが存在する、というところまでです。

管理用タイトルと表示期間を決める

管理用タイトルは、ユーザーには表示されません。 管理画面の一覧で自分が見分けるためのものです。「メニュー」「テスト」のような区別のつかない名前を付けると、2枚目を作ったときに見分けられなくなります。「2026年8月_予約主軸」のように、いつ・何を主セルにしたものかが分かる書き方にしておくと、あとで数値を見るときに役立ちます。

表示期間は、そのメニューを出す期間を指定する項目です。

表示期間を設定した場合、ユーザー側に表示されるまでには時間がかかります。 その時間は、混雑状況やアカウントの友だちの人数によって異なると公式マニュアルに書かれています。開始時刻の直後に自分の端末を見て「出ていない」と判断しないでください。 セールの開始時刻に合わせたい場合は、余裕を持って設定しておく必要があります。

テンプレートを選ぶ

テンプレートは、画面を何分割するかを選ぶものです。ここは公式マニュアルが明示的に否定している点なので、記述をそのまま押さえておきます。テンプレートは「リンク領域」を分割するものであり、「デザイン領域を分割するものではありません」。

つまりテンプレートを選んでも、画像に区切り線が入るわけではありません。区切りは「押せる範囲」の区切りであって、見た目の区切りは画像側で表現します。画像側で6分割に見えるデザインを作っても、テンプレートが3分割なら、押せる範囲は3つです。 ここがずれると、押した場所と違うページが開きます。

どのテンプレートを選ぶべきかという判断(項目数に対して何分割が読みやすいか、主セルをどう見せるか)は、この記事では扱いません。リッチメニューのデザインの決め方で扱う範囲です。

分割数が決まったら、「決定シート:掲載項目を決める」へ一度戻ってください。 候補として挙げておいた補助セルの中から、選んだテンプレートの枠数に合う分だけを選んで確定させます。これが2段目の記入です。

あわせて「決定シート:各セルのリンク先を記入する」の行も、確定した枠数に合わせて整理してください。 落とした候補の行は消し、枠が余っていれば行を足します。2つの欄の行数を、ここで揃えておきます。 この整理をしておくと、次の設定画面での作業が転記だけで済みます。

画像を用意する

管理画面には、テンプレートダウンロードという機能があります。マニュアルはこれを「リッチメニューの分割パターンに合わせた、画像作成用のテンプレートがダウンロードできます。ご希望の画像サイズにあわせてご活用ください。」と案内しています(この説明文の確認は2026年8月3日時点です。マニュアルは更新されることがあります)。公式の記述として確認できているのはこの2文までで、「ご希望の画像サイズにあわせて」という一般的な言い方を超えて、この機能がなぜ用意されているのかを詳しく述べている記述は見つけていません。 押せる範囲とデザインのずれを防ぐのに使える、というのはこの記事の位置づけです。 あわせて、この記事はダウンロードされるファイルの中身を確認していません(管理画面にログインしていないためです)。中身を推測して書くことはしないので、実際に何が入っているかは開いて確かめてください。先ほどの「リンク領域とデザイン領域は別」という誤解を、作業の側から潰す使い方ができる——そう本記事は見ています。

画像の仕様として、この記事で書くのは2つだけです。

  • 基準になるキャンバスの実寸は 2,500px × 1,686px です。
  • 対応するファイル形式は JPG・JPEG・PNG です。

動くリッチメニュー(GIFアニメーション)を作れるかという質問への答えは、この対応形式の1行で完結します。 GIFは対応形式に含まれていません。

これ以外の対応サイズ、テンプレートごとの各セルの実寸、ファイル容量の上限、分割パターンの比較といった仕様値は、この記事では扱いません。リッチメニューの画像サイズと分割の決め方で扱う範囲です。いま画像を作るために値が必要な場合は、公式マニュアルのリッチメニューを作成するマニュアルに対応サイズと容量の記載があります。そちらで現行の値を確認してください(この記事では値そのものを転記しません)。同様に、スマートフォンの画面で読める見た目になっているかという判断も、この記事では扱いません。別途デザインの記事で扱う範囲です。

画像ができたら、画像設定の欄からアップロードします。確認できた範囲では、アップロードのほかに、画像を編集する機能と、イメージメーカーから選ぶ方法が用意されています。

もう1つ、運用が始まってから効いてくる話を書いておきます。リッチメニューはトーク画面の下部に表示され続けるので、掲載内容が古くなってもそのまま出続けます(公式が書いているのは固定で表示されるという定義までで、ここから先はそこから導いた話です)。キャンペーンや季節に合わせて差し替える運用にする場合、差し替えのたびに画像を作る作業が発生します。担当が決まっていなければ、その作業は実行されません。 料金の章で「金額に表れない作業」として挙げたのは、この列のことです。設計書づくりと画像制作をAIでどこまで肩代わりできるかを検討する場合は、設計書と画像をAIでどこまで作れるかで扱っています。この記事が扱っているのが「標準機能で1枚を公開できる状態にする」ところまでであるのに対し、そちらは「作る工程の手間を下げる」ための記事です。

各領域にアクションを設定する

アクション設定では、テンプレートで分けた領域ごとに、種別・リンク先・アクションラベルを入力します。ここは決定シートで決めた各セルのリンク先を転記するだけの作業にしてください。 分割数が決まった時点でリンク先の欄を整理していれば、ここで新しく決めることはありません。 画面を見ながら考え始めると、埋めやすい項目から埋まっていき、主セルが決まっていない状態に戻ります。

入力し終えたら、アクションラベルが「ボタン1」のような空欄埋めになっていないかをもう一度見てください。前述のとおり、これは音声読み上げに使われます。

メニューバーの文言と自動表示を設定する

メニューバーは、メニューの開閉を切り替える帯です。ここに表示する文言と、トーク画面を開いたときにメニューを開いた状態にするか(自動表示)を設定します。

自動表示をオンにすると、開いた瞬間からメニューが見えます。そのぶんトーク画面の表示領域は狭くなります。メッセージのやり取りが中心のアカウントか、メニューからの回遊が中心のアカウントかで選んでください。判断がつかない場合は、まず開いた状態で公開し、押されているかどうかを数値で見てから決めるのが順当です(その数値がいつから見られるかは、次の章で扱います)。

保存する(下書き保存との違いと、反映までの時間)

保存には、下書き保存と保存の2つがあります。ただし「下書き保存すれば公開されない」とは限りません。 公式マニュアルの管理アプリ版のセクションには、次の2つの記述が同じページにあります。

  • 「待機中リストに保存」をタップすると「待機中」に下書き保存される
  • 表示期間中の場合はユーザーに表示され、表示期間が未来日の場合は予約一覧に表示される

この2文を結びつけて「待機中に保存したものは表示期間中なら表示される」と説明している記述は、公式マニュアルにはありません。 確認が取れたのは、2つの記述が同じページにあるというところまでです。両者を結びつけて読んだのは本記事の側だ、という区別は残しておきます(Web版のセクションでは項目名の列挙までで、挙動の説明は管理アプリ版の側にあります)。

だからこそ、作りかけを残したいときは保存の種類と表示期間の両方を確認してください。 保存の種別だけで「これは表に出ない」と判断せず、表示期間が現在を含んでいないことを先に見ておく、という手順にするのが安全です。逆に「保存したのに表示されない」ときも、この2つの組み合わせを見直すと原因が見つかることがあります。表示されない状態の切り分けそのものは、この記事では扱いません。別途切り分けの記事で扱う範囲です。

保存したあとについて、2つ知っておいてください。

1つは、前述のとおり表示期間を設定した場合、ユーザー側に表示されるまでには時間がかかることです。その時間は混雑状況やアカウントの友だちの人数によって異なる、と公式マニュアルは書いています。表示期間を設定していない場合の反映の速さについては、この記事では確認できていません。

もう1つは、設定を変更した場合、ユーザー側に反映されるのはトーク画面に入り直したときだということです。公式ドキュメントは、管理画面のデフォルトのリッチメニューとMessaging APIのデフォルトのリッチメニューについて、反映のタイミングをトーク画面の再入室時としています(Messaging APIでユーザー個別に設定したものは即時反映です)。トーク画面を開いたまま更新して「変わらない」と判断しないでください。 一度閉じて開き直します。

作ったあとに中身を差し替える

保存したあとの話も、手順の側から一度閉じておきます。同じツールの中であれば、公開済みの1枚を作り直す必要はありません。 管理画面で作成したリッチメニューは管理画面から取得・編集でき、差し替えられるのは、上でひとつずつ設定してきた項目そのもの(管理用タイトル・表示期間・テンプレート・画像・各領域のアクションとアクションラベル・メニューバーの文言・自動表示)です。反映されるのは友だちがトーク画面に入り直したときで、表示期間を設定している場合は表示までに時間がかかります。「固定されるのはツールの選択であって、設定の中身ではない」というのは、手順の側から見るとこういうことです。

公開直後に確認すること

自分の端末で開いて、全セルを押す

保存したら、自分のスマートフォンのLINEアプリでアカウントのトーク画面を開き、全部のセルを1つずつ押してください。見るのは「押せるかどうか」ではなく、押した結果が想定どおりの行き先かです。

チェックの観点は3つです。

  • 想定したページ・クーポン・ショップカードが開くか(セルとリンク先の対応がずれていないか)
  • リンク先のページが、ログインしていない状態でも開けるか
  • 画像上の見た目の区切りと、実際に押せる範囲がずれていないか

3つ目は、テンプレートの分割数と画像のデザインが合っていないときに起こります。見た目は6分割なのに押せる範囲が3つという状態は、押してみないと分かりません。

デスクトップ版では表示されない(再掲)

冒頭に書いたことをもう一度置いておきます。リッチメニューはデスクトップ版(macOS・Windows)のLINEでは表示されません。 パソコンの画面だけで確認して「表示されない」と判断すると、仕様どおりの挙動を不具合として扱うことになります。確認は必ずスマートフォンのアプリで行ってください。

それでも表示されない場合

スマートフォンで確認しても表示されない場合は、まず次の2つに当てはまらないかを見てください。どちらも、この記事で挙げた公式の記述で説明がつくものです。

  • 表示期間を設定していて、保存してから時間が経っていない(表示期間を設定した場合、ユーザー側への表示には時間がかかり、その時間は混雑状況や友だちの人数で異なります)
  • トーク画面を開いたままにしている(設定変更の反映は、トーク画面に入り直したときです)

この2つに当てはまらない場合や、特定のユーザーにだけ表示されないといった症状が出ている場合は、切り分けの手順が必要になります。表示されない・反映されないときの切り分けは、この記事では扱いません。リッチメニューが表示されないときの確認手順で扱う範囲です。

公開後に何を見るか

管理画面で見られる5つの数値

管理画面の分析では、リッチメニューについて5つの指標が提供されます。

指標 定義
インプレッション 表示された回数
インプレッションユーザー 表示させたユーザー数
クリック クリックされた回数
クリックユーザー クリックしたユーザー数
クリック率 クリックしたユーザー数 ÷ 表示させたユーザー数

クリック率が「回数」ではなく「人数」で計算されている点を押さえておいてください。1人が3回押しても、クリック率の分子は1人分です。

数値が出ない期間がある

ここが、この記事でいちばん先に知っておいてほしい制約です。

公式マニュアルは操作画面の挙動として、「指定期間にクリックした人数が20人未満の場合、数値は表示されません」と書いています。公式ヘルプは同じ制約を提供条件の側から書いていて、分析対象期間においてリッチメニュー全体のクリック人数が20人以上の場合のみ分析データを提供する、としています。ヘルプ側は、その理由を個人が特定される可能性を下げるための措置だと説明しています。

同じ制約が2つの文書に別の書き方で存在している、というだけならただの仕様です。ですが、これを自分のアカウントの友だち数に当てはめると、話が変わります。

友だちが数十人の立ち上げ直後のアカウントで、指定期間のクリック人数が20人を超えるには、友だちの相当な割合が同じ期間内にメニューを押す必要があります。公式が書いているのは、指定期間のクリック人数が20人以上であることという提供条件までです。友だち数からクリック人数への接続は、この記事が導いた推定であり、公式の記述そのものではありません。 つまり初期のアカウントには、リッチメニューの数値が出ない期間が構造的に存在します。

これを知らずに公開すると、分析画面を開いて空欄を見ることになります。そこで「効果がなかった」と判断するのは誤りです。数字が出ていないのは、データの提供条件を満たしていないからであって、押されていないこととは違います。 この2つは分析画面上では同じに見えるので、先に区別しておく必要があります。

その期間に、代わりに何を見るか

数値が出るようになるまでのあいだ、判断材料が何もないわけではありません。ただし、ここから挙げるものは証拠の水準が同じではありません。 公式の記述で裏づけが取れているもの、この記事の手順として実行できるもの、公式には書かれていない運用上の工夫の3つが混ざるので、どれなのかを項目ごとに分けて書きます。

公式の記述で確認できるもの。

  • 集計期間を広げて累計で見る。 分析の集計期間は選択でき、初期値は30日間です。短い期間で区切ると20人に届かないものが、期間を広げると届くことがあります。まず期間の設定を確認してください。公式の記述で裏づけが取れている代わりの見方は、これだけです。この期間の既定の見方はこれになります。

この記事の手順として実行できるもの(数値が出るかどうかと無関係)。

  • 自分の端末で全セルを押して確認する。 前章のチェックは、友だち数が何人でも実行できます。押されていないのか、押しても壊れているのかは、これで切り分けられます。ただしこれは分析画面の数値の代わりに読む材料ではなく、公開直後の確認をもう一度実行するだけのものです。「数値が出ない期間の代わりの見方」としてこれを案内している公式の記述は、この記事では確認していません。

公式に記述の無い、運用上の工夫。

  • リンク先の側で到達を見る。 主セルの行き先が自社サイトのページや予約フォームであれば、そのページ側で「人が来ているか」を確認できます。ただし、この見方をLINE側の公式資料が案内しているのを、この記事では確認できていません。 公式の手順ではなく、行き先を自分で持っている場合にだけ成り立つ回り道として読んでください。リッチメニュー経由かどうかを分けて見るには計測用の設定が必要になりますが、その設定手順はこの記事では扱いません。まずは「行き先の側にも数えられる場所があるか」を、リンク先を決める段階で確認しておくと、この期間の手札が1つ増えます。
  • 最初の目標を「クリック率」ではなく「クリック人数が20人に届くこと」に置く。 これも公式が推奨しているものではなく、20人という提供条件から逆算した目標の置き方です。数値が出始めること自体を最初のマイルストーンにすると、空欄を見て落ち込む期間が目的を持ちます。

数値の読み方の注意

数値が出るようになってからの注意も2つ挙げておきます。

1つは、分析の数値はすべて推定値だということです。公式マニュアルは「すべて推定値を表示しているため、実際の数値とは1%前後の差が生じる場合があります」と書いています。小数点以下の差を根拠に判断しないでください。

もう1つは、集計期間の初期値が30日間であることです。期間を変えずに比較すると、比較しているつもりで期間の違いを見ていることがあります。差し替えの前後を比べるときは、期間を揃えてください。

Messaging APIで作ったメニューは、管理画面の分析に出ない

最初の章の結論が、ここで効いてきます。管理画面の分析には「Messaging APIで設定したリッチメニューの統計情報は表示されません」。

つまり、Messaging APIでリッチメニューを設定したなら、数値もAPI側で取得することになります。管理画面の分析を開いても、そこには出てきません。「作ったはずのメニューの数値が分析画面にない」という状況は、これが原因で起こり得ます。 ツールの選択が数値の置き場所を固定する、というのはこういうことです。

決定シート:公開後に何を見るか

記入欄 内容
見る指標(5つから選ぶ)
集計期間
20人に届くまでの代わりの見方【既定】集計期間を広げて累計で見る(どの期間にするか)
20人に届くまでの代わりの見方【任意】リンク先側で到達を見る(※公式に記述の無い運用上の工夫。行き先を自分で持っている場合のみ)
次に見直す日
画像の差し替えを担当する人
差し替えの頻度(自社の販促サイクルで決める)
分析画面を確認する担当と、確認する日

下の3行は、料金の章で挙げた「金額に表れない作業」をここで引き取ったものです。最後まで空欄にしないでください。この3行が空欄のままだと、公開したあとに誰も画面を開かない状態になります。

まとめ:次に読むもの

この記事の要点3つ

  1. リッチメニューは、トーク画面の下部に固定表示されるメニュー機能です。画像・タップ領域・トークルームメニューの3要素でできており、アカウント種別や料金プランを問わず使えて、リッチメニュー自体に追加料金は発生しません(課金はメッセージの配信通数に対して発生します)。
  2. 作る前に決めるのは、どちらのツールで作るか、何を載せるか、各セルの行き先をどこにするかの3つです。最初のツール選択は、その1枚の編集経路と数値の置き場所を同時に固定します。別のツールへ移すには作り直しになり、画像・分割・アクション・ラベル・メニューバー文言は作り直せますが、旧ツール側にしか残らない統計の連続性と、Messaging API側に対応する記述が見当たらない表示期間の設定は引き継げません。
  3. 公開後に管理画面で見られるのは5つの指標ですが、指定期間のクリック人数が20人未満だと数値は表示されません。初期のアカウントには数値が出ない期間が構造的にあります。この期間の既定の見方は、公式の記述で裏づけが取れている「集計期間を広げて累計で見る」の1つです。 加えて、自分の端末で全セルの動作を確認することは友だち数と無関係に実行できます(ただしこれは公式が代わりの見方として案内しているものではなく、この記事の手順です)。リンク先側で到達を見る方法もありますが、これは公式に記述の無い運用上の工夫です。

決まらなかったことは、どの記事で決めるか

この記事で決まらなかったことは、次のように分かれています。

決めたいこと どこで決めるか
画像の実寸・容量・分割数を決める リッチメニューの画像サイズと分割の決め方
どのテンプレートを選ぶか、スマホで読める見た目にするか リッチメニューのデザインの決め方
ユーザーごとの出し分けとタブ切り替えを作る、Messaging APIへ移す判断をする リッチメニューの出し分けとタブ切り替え
表示されない・反映されないときに切り分ける リッチメニューが表示されないときの確認手順
設計書と画像の制作にかかる手間を下げる 設計書と画像をAIでどこまで作れるか

書けなかったことを、最後にもう一度まとめておきます。ここに書いたのは、LINEの公式ドキュメント・公式マニュアル・公式ヘルプを2026年8月2日から3日にかけて読み解いて確認が取れた範囲と、そこから導いた結論です(8月3日に確認したのは、管理画面の作成画面までの行き方と、テンプレートダウンロードの説明文の2点です)。管理画面の実操作で確かめた記録ではありません。 特に、管理画面のアクション種別の完全な一覧と、リンク欄に電話番号を指定できるかどうかは確認できていないため、この記事では断定していません。管理画面は更新されます。実際の画面と食い違う記述があった場合は、画面のほうが正です。

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